金髪の君*完結
漆黒の瞳はジッと私の目を見ている。
引き込まれるように心の瞳を見つめる私に
「あお!早く来い!」
表情を柔らかくし、叫んだ。
「---っ…」
口角を上げ笑う彼にドクンッと胸が高鳴った。
固まって動かない私に痺れを切らした心が歩み寄ってくる。
腕に絡まっていた女の子の腕を乱暴に解いた彼を見て「ホッ」と安堵の溜め息をはいた。
「何してんだよ。」
近いくにいた私の元に来るのに時間はかからず、下駄をカランカランと音をたてながら心は私の目の前で止まった。
「行くぞ。」
「--えっ?」
目の前に止まった心は私の手を取り歩きだした。