金髪の君*完結


獲物を狙ったかのように口元をジッと見つめる心の瞳に心臓が暴れだした。

離れる口実を作らなきゃ、と頭では分かっているのに思考が働かず焦る。


徐々に近づいてくる心の顔。


「---っ…」


舌を出した心は妖艶で、目が奪われた。

舐められる瞬間


「--そ、"ソース"付いてないから!!」


頭を後ろへ反らした。
顎を掴んでいた手はすんなりと外れ舐められずにすんだ。
油断していた心は


「ちっ」


と舌打ちをした。


腰に回っていた腕を離され、解放された私は「ホッ」と安堵の溜め息をついた。
未来たちがニヤニヤして見ていたことに気付かずに。


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