金髪の君*完結
「や、やだ…」


腕を引き路地裏に入ろうとする若田に、全体重を後ろへかけ阻止するが


「それやって腕痛くねぇか?」


心配される始末。


「--じゃぁ、腕離してよ!」


「それは無理な話だな。」


路地裏に入った若田は歩を止めず、奥の方へと足を進めた。
無駄だと分かっていても、何も抵抗しないよりはマシだと思い体重をかけるのを止めることはなかった。

握られた腕は痛さを増し、ジンジンと熱を持ちはじめた。


昔や海の時も今も、女ってなんでこんなにも無力なんだろう。

若田への恐怖と、自分の無力さに悔しくて涙が出そうになり下唇を噛み堪えた。


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