金髪の君*完結
路地裏に響く下駄の音。
--カラン--カラン--と響く下駄の音はさっきまで聞いていた音とは違って聞こえた。
まさに地獄への道を歩いているかのよう。
この先には何があるのだろう…
---恐怖…
頭に浮かぶ2つの文字。
噛んでいる下唇に力を入れた。
今泣いたりしたら負ける気がした。
だから涙は見せない。
前を歩く若田を睨み付けた。
口の中に広がる鉄の味が気持ち悪い。
若田から視線を外し、手の甲で口を拭い見ると血が付いていて顔を歪ませた。
「---きゃっ…」
ピタツと止まった若田に気付かなかった私は全体重を後ろにかけていたため後ろに倒れた。