金髪の君*完結
「な、な、な、な、なめ…」
「あ?」
「舐めた!!」
「それがどうした。」
恥ずかしくて頬が染まる私と違い、淡々と答える心。
私だけ心にドキドキしているのが凄く悔しかった。
何かお返ししてやるって気にもなれないのは、私がただの意気地無しだから。
「唇にはしないって言ったのに…」
目を伏せ、小さな声で呟く。
「消毒」
頬を撫でる心の態度はいつもと変わらない。
--やっぱり悔しい…
頬をプクッと膨らますと
「一樹達待ってるから行くぞ。」
手を引き、大通りへ向かって歩きだした。