金髪の君*完結
未来は私から離れ一樹に駆け寄り一樹の腕に絡み付いた。
そんな未来を愛しそうに見つめる一樹は
「あおちゃん大丈夫?」
すぐに視線を私に向け、心配そうに見た。
「大丈夫だよ。」
と笑顔で伝える。
「--でね…お願いがあるの。」
私の言葉で笑顔だった一樹や未来、無表情だった心は真剣な顔付きになった。
「あのね…
--手を貸してほしい…
お願い、助けてください!!」
頭が膝につくほど深く頭を下げた。
賑わう駅の前、緊張のせいか私の周りの空間だけ音が止んだ。
だけどそれは錯覚で
「--ぃ--ぜ。」
「えっ?」
心の声に瞬時に反応ができた。