金髪の君*完結
「よく覚えてたね…」
至近距離で見つめられ、恥ずかしい私は視線を泳がせた。
「りんご飴よりこっちの方が旨そう。」
そう言い頬を撫でられ体がピシッと硬直した。
頬に全神経が集中する。
--好きすぎておかしくなりそう…
「おにーさん!!いくついるんだい!」
屋台から聞こえて来た声に、私の体は正常に動きだし
「一つください!」
おばさんに叫んでいた。
心に視線を向けていたおばさんは私に視線を向け直し「あいよ!」と言い手を出した。
お金の催促だと気付いた私は慌てて巾着を--…
「--な、ない…?」
手に持っていた巾着がなかった。