金髪の君*完結
慌てて周りを見るが巾着は見当たらない。
焦っている私をよそに
「ほらよ。」
心が声をかけてきた。
「ど、どうしよぅ、巾ち-…」
泣きそうな顔で心を見ると
「--えっ?」
「お前がいた路地裏に落ちてた。」
りんご飴と共に手の平に置かれた巾着。
「あ、りがとう。」
「お-」
受け取った水色の巾着の中を確認する。
財布、定期入れ、鏡、櫛、リップ--
全て揃っているのを確認し安堵の溜め息をついた。
「一樹達まってっから行くぞ。」
巾着を左腕にかけた私に
「飴左手に持て。」
と言う心に頭を傾けつつ素直に従った。