金髪の君*完結
「いくらだった?」
手を繋いだまま心の正面へ回り込んだ私に心は歩を止めた。
「いらねぇ」
見下ろしながら言う心に負けじと見上げながら
「返す。」
と伝える。
巾着から財布を出すために繋がれた手を離そうと握っていた力を緩めた。
私の手には力は入っていないのに離れない手。
「---しんちゃん…離して?」
私の手に力を入れ離そうとしない心に声をかけたが
「いくぞ。」
手を引き歩き出した心には聞き入れて貰えなかった。
「--ありがとう…」
再び手を握り締め、心にお礼をいい未来達のところへ向かった。