金髪の君*完結
「なんでりんご飴食べないの?」
人混みを抜け住宅街を歩く私の腕に、未来がべったりとくっついている。
チョコバナナを食べ終わった未来は私のりんご飴に目を付けた。
一樹の腕から離れ私の腕に絡み付いた未来を見て心は引いていた手を離した。
残念に思い心の手をジッと見ていたが、
「りんご飴美味しそう。」
未来の言葉で視線を向けた。
いつもの私なら未来の我が儘と上目づかいに負けるが今回は譲れない。
「食べないの?」
「食べるよ。」
「今食べようよ。」
「家で食べるの。」
「えぇー食べたい!!」
「勿体ないもん…」
お互い譲らない争いに
「未来おいで。」
終止符を打ったのは一樹だった。