金髪の君*完結
「う~ん、う~ん…」
その日はやって来た。
家のポストの前でうろうろすること2時間。
バイクの音と共に、やってきた一通の手紙。
待ち構えていた私に郵便局のおじさんは一瞬驚いたが、すぐに笑顔になり葉書や封筒の束を私に渡した。
おじさんに「ご苦労様です」と伝え、バイクで去る音を背にしマンションへと入った。
手に持つ手紙の束に全ての神経が集中する。
手は震え、力が入り過ぎているのか手紙の束はクシャッと音をたてた。
音に気付かないほどの緊張。
自分の部屋につくまで近所の奥様に会った気もするが、ちゃんと挨拶ができていたのかすらわからない。