金髪の君*完結



「--クシュン!」


慌てて家を出た私は、11月下旬だというのに部屋着であるロンTにジーンズ姿で電車に乗っている。

中央総合病院は、未来や一樹、心の地元にあり、自宅の最寄りの駅からは6つ離れている。
そして、駅に着くまでに20分はかかる。

コートも羽織らず、携帯と財布を丸裸で持つ私に集まる視線。
そんな視線も気にならない程、私は動揺していた。



---手術…?




頭の中で考えるのは悪い方ばかり。

そんな思考を頭を振り、無理矢理いい方へ持って行く。


ドクンドクンと暴れる心臓。
そして背中や額には冷や汗。


早く着かないかと落ち着きがない。
家を出て15分程しか経っていないが、1時間以上経っているような感覚になる。


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