金髪の君*完結
車内にアナウンスが流れ、電車はスピードを落とし停車した。
目的の駅に着いたのを確認し、ドアが開いたと同時に体を滑り込ませ開ききる前に電車を降りた。
休日で賑わう構内を人を掻き分け走る。
「--はぁ、はぁ--っ、すいません!」
ぶつかる度に謝るが、足を止めることはない。
ぶつかった相手に対し、態度が悪いのはわかっている。
今は止まっている時間すら惜しい。
人を掻き分け、改札口を通りロータリーに出ると目の前に止まっていたタクシーに乗り込んだ。
駅から離れている病院にはバスが通っているが、バスを待つ時間が勿体ない私は迷う事なくタクシー乗り場へ向かった。