金髪の君*完結
女の子は木に寄り掛かり顔を覗かせてスニーカーの主を見る。
(へっ?)
そこには、芝生の上に仰向けで腕を枕にして寝ている男の子。
(うわぁ…キレイ…)
キレイな顔で寝ている彼にそっと近づく。
漆黒の髪、整った眉、高い鼻、形のよい唇。
一瞬で目が奪われた。
−−もっと近くで見たい。
欲に負け、彼の体の右横にしゃがみ込み観察しようと顔を近づかせる。
その瞬間、風が強くふき驚き目を閉じた。
目を開けると、地面に落ちる花びらと、漆黒の黒い瞳が目に入った。