金髪の君*完結
「いってらっしゃ~い!」
笑顔で見送る係員に、会釈をし反対側の窓に視線を向けた。
この大きな観覧車は1周するのに20分かかる。
ワクワクドキドキする胸と共に、私達を乗せたゴンドラはゆっくりと上っていった。
私の前に座る心は、私とは反対側の窓から外を眺めていてる。
会話の無いゴンドラの中は、自分の息遣いがやけに大きく聞こえた。
ゆっくり鼓動を刻む心臓は、今
の私の心境を表している。
物音一つないこの空間が居心地よく思うのは、心の雰囲気と微かに香る心の香りが私が好きだから…