金髪の君*完結



「へぇ…、あんたが噂のお姫様?」


ソファーの上で胡座をかき、真下から私を見る泰に


「か、か、」


「か?」


「可愛い!!」


私と殆ど変わらない身長に、艶のある黒い髪、ぱっちり二重で童顔、上目遣いの彼は私から見ても可愛いく


「やーめーろー!!!」


「--ちっ…」


思わず、抱き着いた。

再び手を振り払われ、舌打ちをする若田。


何故か恨むべき人達と溶け込んでいる私に、自分自身驚いている。


驚きつつも、泰の首にガッチリと腕を回し片方の手で頭を撫でる。


「う~ん…、姫さんの胸でけぇ…」


腕の中からこもった声が聞こえ、バッと回していた腕を離した。



「--っ…--マ、ジ、いてぇ!!」



腕を離した瞬間、私の視界に入ったのは、泰の頭に若田の拳が綺麗にキマったところ。

そして、突っ伏した先が私の膝でそれを見た若田が鬼の血相で泰の艶のある黒い髪を鷲掴みし、グッと後ろへ引いた。

髪の毛を引かれ、膝の上から退かされた泰は、頭の皮膚を摩り血が出ていないか確認している。
確認している姿が、涙目でキュンっとしたが、また泰に被害がでるので抱き着くのを我慢した。


「こいつ変態だから、むやみに抱き着くな。」


眉間にシワを寄せる若田に、頭を上下に振り頷いた。



--未来みたいで可愛いんだもん。


なんて言えなかった。

行ったら、皆の所に帰りたくなるから…





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