金髪の君*完結
「動かないで!
あっ、…-やっ、触っちゃ!!」
ガシャーーーンと大きな音を立て、積み上げたCDが崩れた。
「はぁ…」
「--わりぃ…」
掃除を始めて1時間。
畳の上に座り、謝る若田を上から睨み付ける。
「何も触らないで、私がやるから。」
ショックを隠しきれない若田に、強く言えない私は、倒れたCDを積み上げながら「絶対触らないでよ」と念を押した。
「お、おぅ」
若田は座ったままピクリとも動かなくなった。
動かない若田を見て、胸の中でホッと安堵の溜め息をはいた。
掃除をしだしたのはいいが、若田が手を付ける物は倒れるは割れるは、逆に部屋が汚くなっていった。
一瞬にやろうと言ってしまったため、断ることができなかった私は、若田が何か仕出かす前に片付けを終わらせようと思っていた矢先
…CDを倒したわけです。
さすがにこれ以上は無理だと判断し、今に至る。
若田が倒したCDを片しながら、ケースが割れていないか確認していたが、確認した全てのCDが割れていたため、確認するのを諦めた。
動かなくなった若田を横目で見ながら、掃除をすること30分。
「はぁ…終わった。」
20畳の部屋の床には塵一つなくなった。
あっ、若田がいるけど…。