金髪の君*完結
「で、健吾は反省中なわけ?」
私から視線を若田にうつした柳は
「ぶはっ!あはははは!あの、あの健吾が正座!ぶっ!やべぇー写メ!!」
爆笑しながら、震える手で写メを撮り
「ぶっ!泰に見せねぇと!」
隣へ繋がるドアに入って行った…
「……」
「……」
柳がいなくなって静かになったリビングには、私達2人だけ。
「何度もすまねぇ」
「もう慣れた。」
まだ1日も経っていないのに慣れたは可笑しいかもしれないが、それほど強烈で何度も繰り返されたら慣れたくなくても慣れる。
「物は大切に…って言いたいところだけど、わざとじゃないし、しょうがないよ。」
ショックから立ち直れない若田に、「もう正座やめて、ソファー座れば?」と促す。
若田は立ち上がり、ソファー…ではなく私の隣にドカッと座った。
私が座っているのはソファーの前に敷かれているカーペットの上。
床暖が効いて温かいのもあるが、
「葵がソファー座らねぇなら、俺も座らねぇ。」
泰がイチャついていたソファーに座りたいとは思わなかった。
「床、痛くないか?」
床に胡座をかく若田は、私の様子を伺っている。
「痛くないし、床暖が暖かい。」
笑顔を向けると、ホッと安心した表情を見せ私の頭を優しく撫でた。