金髪の君*完結



「で、健吾は反省中なわけ?」


私から視線を若田にうつした柳は


「ぶはっ!あはははは!あの、あの健吾が正座!ぶっ!やべぇー写メ!!」


爆笑しながら、震える手で写メを撮り


「ぶっ!泰に見せねぇと!」


隣へ繋がるドアに入って行った…


「……」


「……」



柳がいなくなって静かになったリビングには、私達2人だけ。



「何度もすまねぇ」


「もう慣れた。」


まだ1日も経っていないのに慣れたは可笑しいかもしれないが、それほど強烈で何度も繰り返されたら慣れたくなくても慣れる。



「物は大切に…って言いたいところだけど、わざとじゃないし、しょうがないよ。」


ショックから立ち直れない若田に、「もう正座やめて、ソファー座れば?」と促す。
若田は立ち上がり、ソファー…ではなく私の隣にドカッと座った。

私が座っているのはソファーの前に敷かれているカーペットの上。
床暖が効いて温かいのもあるが、


「葵がソファー座らねぇなら、俺も座らねぇ。」


泰がイチャついていたソファーに座りたいとは思わなかった。


「床、痛くないか?」


床に胡座をかく若田は、私の様子を伺っている。


「痛くないし、床暖が暖かい。」


笑顔を向けると、ホッと安心した表情を見せ私の頭を優しく撫でた。




< 753 / 858 >

この作品をシェア

pagetop