金髪の君*完結
私の手を引きながら、
「おめぇらも行くぞ。」
柳と泰に視線を向けることなく、部屋を後にした。
マンションの前に止めてあった車の後部座席へ乗り込んだ私達の後に、柳が助手席、泰は私の隣に座り車は発車した。
「いつもんとこ」
と運転手に指示を出した柳に
「あっ、あの…
寄って欲しい所があるんだけど…」
恐る恐る声をかけた。
「どこだ?」
聞き返してきたのは若田で、柳から若田に視線を向けるとバチッと目が合った。
「あのね…デパートか、ショッピングモールなんだけど。」
私の言葉に若田は眉を寄せた。
「そこで飯食いたいのか?」
「ち、違くて…ただ買い物を…」
「買い物?」
不思議そうに私を見る若田は
「近くのショッピングモール。」
と運転手に声をかけた。
「ありがとう。」
隣に座る若田に笑顔を向けると、若田は「あぁ」と言い窓へ顔を向けてしまった。
マンションからショッピングモールへは近かったらしく、10分もしないうちに車は立体駐車場に駐車した。
「俺、携帯機種変してくるかんな!!置いてくなよ!」
駐車した車から勢いよく飛び出した柳を目で見送り、泰が真ん中に座っている私に気を使い車を降りたので、私も泰にお礼を言い降りた。