金髪の君*完結
「じゃぁ、急いで行ってくるね。」
泰と若田に言い、歩き出した私に
「待て」
若田は車を降り私の前まで歩み寄った。
「何?」
「俺も行く。」
「えっ?
いや、困る!私1人がいい!」
頭を左右に振る私に
「何でだ?」
若田は機嫌が悪くなったのか、声を低くし眉間にシワを寄せた。
「逃げるのか?」
「逃げない!大丈夫!帰ってくるから絶対!1時間!1時間私に時間を頂戴!」
手を合わせ悲願する私に
「分かった。1時間たっても戻らなかったら分かってんだろうな?」
脅しをかけた。
「わかってるよ。」
若田の言葉が癪に触った私は、若田から顔を背けた。
「じゃぁ、行ってこい。」
許可が下りた私は、若田に視線を向けることなく駆け出した。
--いい奴だと思ったのに!!
胸の中で悪態をつきながら…
目指すは--…