金髪の君*完結
「あいよー、沢山食いやがれ。」
あの後、若田の肩をいいだけ叩いたお母さんは満足し「ご飯作るかー」と言いキッチンへ入って行った。
若田は叩かれた所を摩りながら店の中の奥にある座敷へと上がり、座り込んだ。
それに釣られ私達も座敷に上がり、私は若田の隣に腰を下ろし柳と泰は向かい側に座った。
「わぁ…」
目の前に置かれた沢山の料理に、歓喜の声を上げた私に
「味は保障するよ!」
お母さんはウインクし、キッチンへと戻って行った。
「早く食おうぜ」
右手でビールが入ったジョッキをテーブルの真ん中へと突き出した泰は
「ほれ、乾杯!」
目で「早くしろ」と急かした。
「かんぱーい!!」
カンッカンッとグラス同士がぶつかり合う音が響き、男3人はビールを一気飲みし始めた。
「ぷはぁー!」
「ごほっ」
「また負けたぁ…」
3人の飲みっぷりに驚き目を見開き見ていると、笑顔でジョッキをテーブルに置いた柳に続き、若田、泰の順でビールを飲み干した。
ゴホゴホと噎せる若田に、悔しがる泰。
いつかアルコール中毒になるんじゃないかなと思う。
そんな3人を横目に、私は目の前に置かれたご馳走に手を伸ばした。
まずは…
「いただきまーす。」
--鯖の味噌煮。