金髪の君*完結


「--ちっ…」


悔しそうに顔を歪めた健吾に


「ふふっ」


自然と笑みが溢れた。


「笑うな…--っ…」


「不意打ち。」



「やべぇ…」


笑われてふて腐れる健吾の唇にキスをすると、一瞬、驚いた顔をしすぐに真っ赤になった。



「なぁ」



顔の赤みが取れた健吾は、天井に視線を向け「弁当」と呟いた。


「お弁当?」


私の言葉に


「明日は、から揚げにハンバーグ、ナポリタンにミニトマト、お握りは鮭と明太子…」


と続けて呟く。


「そんなに?」


「おー、後は…卵焼きにチーズを入れたやつな。」


「う、うん…」


私の返事に「楽しみだな」と言い笑顔を向けた健吾。

健吾の言った物は、全て健吾が好きな食べ物。

いつも以上に笑う健吾に何故か不安になった。

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