金髪の君*完結
「まっ、待って!!」
近づいて来る顔が視界の隅にうつり、私は健吾の顔を両手で押さえた。
「あ゙?」
キスを止められ、機嫌が悪くなった健吾に
「腰痛いもん…」
顔から手を離し、健吾から顔を反らし小さく呟いた。
頭に感じる温もり。
「じゃぁ、キスだけ。」
頭を撫でる健吾は、いつもに増して優しかった。
「---ん…」
ゆっくり優しく重なる唇。
健吾の舌が唇をなぞり、私は唇を開いた。
「--わっ!!」
突然聞こえたドンドンと強くドアを叩く音に、私は驚き健吾から離れた。
「いい加減、起きやがれ!バカ健吾!!
学校遅刻するぞ!」
怒鳴る柳の声が聞こえてきた。
柳の言葉に、部屋の壁に掛かっている時計を見ると
「8時…-15分!!」
いつも健吾が家を出る15分前だった。
私は布団から飛び起き
「早く準備して!」
怠そうに煙草を吸う健吾を急かしつつ、泰が持ってきた制服に着替え始めた。
大八木高校の制服は、セーラー服。
初めて着るセーラー服に、胸が高鳴ったが時間に余裕が無い私は、急いで着替え化粧に取り掛かった。
軽く化粧をし、変な所がないか確認する。
確認し終えると、キッチンに向かい前もって夜に作っておいたお弁当を持ち、マンションを後にした--…