金髪の君*完結
「それにしても葵ちゃんはすげぇな…」
「うんうん、葵ちゃんがいて助かった。」
3時間目の授業が終わり、私の机に集まった柳と泰。
「あのバーコードの問題に答えられなかったらトイレ掃除だかんね、まじ助かったよ。ありがとなー。」
泰は笑顔でお礼を言った。
「葵ちゃんってやっぱ頭よかったんだね。」
「たまたまだよ。」
頭を左右に振る私に
「なんたってあの蓮沼高校だもんなー。」
柳は関心したように言った。
柳と泰と話をしていると
「おっ、健吾起きたな。」
隣で寝ていた健吾が、顔を上げた。
「--葵…」
寝起きで掠れた声の健吾は、私を呼び掛けると椅子から立ち上がり
「次、サボる。」
私の腕を引き、教室のドアに向かって歩きだした。
後ろからは「いってらっしゃ~い」と柳と泰の声が聞こえた。
廊下に出ると、再び感じた視線。
私は健吾に腕を引かれ、俯いたまま歩いた。
「あれ…?ここって…」
健吾に連れて来られたのは、初めて学校に来たときに入った空き教室。
柳は教室に入ると、私を机に座らせカーテンを閉めた。
--嫌な予感がする…
カーテンを閉め終えた健吾は、私の前までくるとセーラー服のリボンに手をかけた。