金髪の君*完結
見つめ合うだけの私達がいる教室は異様で、3分程が経ち気まずさがピークに達した私は
「--け…-」
「もう行くか。」
口を開いたが、健吾の声に言葉を止めた。
「う、うん。」
頷いた私に、差し出された手。
その手にゆっくりと手を重ねると、強く握られ
「健吾?」
腕を引き、強く抱きしめられた。
突然のことに、抱きしめられたまま健吾を見上げた。
「もう1回、やってくか?」
ニヤリと意地悪い笑顔を向けた健吾に
「制服じゃもうやらない。」
頬に空気を入れ、下から睨み付けた。
「だよな…
さっきので最後だ。」
抱きしめた体を離し、哀しそうに笑った。
「どうし…-キーンコーンカーンコーン…
私の声は、タイミングよく鳴ったチャイムに遮られた。
「よし、飯だ。」
手を引きドアへ向かって歩きだした健吾は、いつもと変わらない笑顔だったため、私は健吾の変化を気にすることは無かった。