金髪の君*完結
「葵はあいつが好きか?」
真剣な眼差しで問う健吾に、私は口を閉ざした。
「さっき、俺の言葉を遮ったのはあいつに聞かれたく無かったからだろ?」
「……」
「それってさ、好きだからじゃねぇの?」
「……」
「俺さ、葵のことすんげぇ好きなわけ、だから卑怯な手を使ってでも葵を手に入れたかった。」
「……」
「実際手に入れたら辛いのなんのって。」
「……」
「大切だから優しくしてぇのに、あいつのことを思う葵を見てムカついてさ。
乱暴に抱いちまって後悔してる。
あの時は悪かったな。」
「……」
頭を左右に振る私を、愛しそうに撫でる健吾。
「沢山抱いても最後は虚しいだけなんだよなぁ…
こんなにスタイルがよくて綺麗なのによ。
なんか満たされねぇんだよ。」
「……」
「抱くことでつなぎ止めようとしたが、俺は葵の心まで欲しいわけ。」
「……」
「俺、あいつより不細工だけどよ…葵を幸せにする自信はあった。」
「……」
「だけど、無理みたいだ。」
「……」
「なぁ、葵。」
「……」
「これが最後だ。
葵は…あいつが、好きか…?」
健吾の声は微かに震えていた。