金髪の君*完結
「わかった。」
隣にしゃがみ込んでいた健吾は、立ち上がり呟いた。
ハッと我に返った私は、勢いよく立ち上がり
「だけど、私は健吾のこと本当に大切…--「言うな。」」
私の言葉を遮った健吾。
「勘違いすんな。
お前は俺の女だ。」
口が塞がらないとはこのことで…
「誰も別れるなんて言ってねぇ。」
口を開き、驚く私にニヤリと口角を上げた。
「って、ことで
おい!藤森!!!」
「あ?」
「葵をかけねぇか?」
「あ゙?」
「タイマンで俺に勝ったら葵を返してやる。」
健吾の言葉に、驚愕し立ち尽くした。
「へぇ、いいなそれ。」
ニヤリと笑う心。
「じゃぁ決まりだな。」
「あぁ。」
健吾は、立ち尽くす私の腕を引き歩きだした。
「ちょっと待って!
喧嘩はよくない!話し合いに…」
「今更おせぇし、話合いって小学生じゃねぇんだから…」
「はぁ」と溜め息を吐き馬鹿にしたような目で見る健吾にムッと顔をしかめた。
「まぁ、勝ってお前のこと最後まで面倒見てやるよ。」
健吾の笑顔が、いつもと違う笑顔に気付いた私の胸は罪悪感でいっぱいだった。