金髪の君*完結
手を引かれ、連れて来られたのは学校から少し離れた公園。
草木が多い公園の奥へと入ると、周りから見えないように立つ木に囲まれた場所に出た。
「よっしゃぁ、さっさとやってさっさと終わらせようぜ。」
私を端に誘導し腕を離すと、後ろから着いて来た心に声をかけた。
心は着ていたダウンジャケットを脱ぎ、健吾は制服のブレザーを脱ぎ投げ捨てた。
健吾の投げた制服が地に着いたと同時に始まった殴り合い。
私は止めに入らなきゃとオロオロしていた。
「--ぐっ…」
「----つぅ」
さすが、トップ同士の争いは凄まじく心が健吾の鳩尾に拳を食らわせたと同時に、健吾の拳が心の頬へと入った。
「--はぁ、はぁ、はぁ…」
どっちの息遣いかわからないほど、疲労している二人。
全身砂で汚れ、顔は切り傷や殴られた跡は赤く腫れ上がっている。
心の口元は切れ、血が滲んでいた。
「やべぇ、肋骨いった。」
「俺は指。」
睨み合いながら呟く二人。
二人は一瞬だけ余裕のある笑みを浮かべ、再び間合いをつめた。
静かな公園に、響く苦しそうな声と殴る音。
私は両耳を押さえ、目を固く閉じ膝に顔を埋めていた。