金髪の君*完結



長く続いた殴り合いは


「はぁ、もう無理。」


「俺もだ。」


二人同時に倒れたことにより終止符を打った。


耳を塞いで聞こえた心と健吾の声と、何かが倒れた音に膝に埋めていた顔をゆっくりと上げた。



「えっ!!だ、大丈夫!?」


地面に倒れた二人に近付き、健吾の方を揺すった。


「葵、いてぇ…」


苦痛に顔を歪め、掠れる声で呟いた健吾。


「ごめ、きゅ、救急車!!」


救急車を呼ぼうと、制服のポケットに手を入れたが


「鞄の中だ…」


目当ての物がなく、肩を落とした。



「人、呼んでくるから!!
待ってて!」


焦る私は、人がいそうな遊具がある場所へと向かって走り出した。


健吾が「俺の携帯…」と言っていたのだが、耳に届かなかった私はその場を後にした。



「はぁ、はぁ、はぁ…」


昼間の公園に誰もいなく、私は通りに出ようと出入口へ向かった。



「はぁ、はぁ、な、なんで…人いな、いのぉ…」


広い公園をくまなく探し、疲労と苛立ちがピークに達した頃。


出入口に人影を見つけ


「す、すいませぇーん!」


声を荒げ、駆け寄った。






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