金髪の君*完結
「嫌だ、離して!!」
足を突っ張り、行くのを阻止しようとするが男の力には敵わない。
ズルズルと引きずられ住宅街を抜けた先には木材置場。
嫌な予感がした私は、今以上に暴れ
「いってぇ!!」
空いてる手が男の頬に当たり、バシーンと音が響いた。
青筋を浮かべる男を見て、危険を感じ逃げようとするが腕に力が込められ
「--っ…」
逃げられない。
男によって握られている手は、圧迫され血が通わなく変色してきている。
握られている場所は、骨が砕けてしまうんじゃないかってほど痛い。
必死に涙を堪える私は、周りしか見ていなかった。
気付いた時には
「---つぅ…」
右頬に鋭い痛みと熱を感じた。
「手間かけさせんなよ。
綺麗な顔が醜くなるぜ?」
叩かれた右頬を手で押さえた。
熱を持った頬は、ジンジンと痛む。
我慢していた涙が一気に溢れ頬を濡らした。
「泣き顔可愛いねぇ…やっべぇな。」
俯く私を覗き込む男は
「まじ欝陶しい。」
ボサボサの髪を引っ張った。
男の手には今まで頭にあった髪の毛。
驚いた私は、一瞬だけ涙が止まったがカツラを取った男を見て、恐怖が体中を巡った。
「髪ってうざいよなー。」
カツラを投げ捨て、私の腕を引き歩きだす男の頭は赤い坊主頭だった。
足が震え、力が入らない私は男の手によって木材置場へと連れていかれた。