金髪の君*完結
「おっせぇーぞ、心!」
銀の声に、目の前にある背中が心だと分かった私は、安心したせいか足に力が入らなく、その場にしゃがみ込みこんだ。
「お前ら、手伝ってやれ。」
「やっべー、楽しみ!」
「早く片付けようぜ。」
聞こえた声に視線を向けると、脇腹を押さえた健吾と笑顔で一樹達の所へと向かう泰と陸斗がいた。
私達の方へ近付いてきた健吾は
「こいつ、忘れてる。」
心に殴られ倒れていた飯塚を引きずり、殴り合いをしている中へと放り投げた。
「大丈夫か…?」
痛々しい顔で、心配そうに私を見る心。
「遅くなってわりぃ…」
私の前にしゃがみ、頬を撫でる心。
撫でている頬は叩かれた方で、優しく撫でる心の表情は険しかった。
「あり、あり、が、とう…」
人数が増え、優勢に持ち込んだ一樹達はあっという間に男達を片付け、主犯の飯塚を囲った。
囲まれた飯塚は鼻から血を流し、腫れた顔は青ざめていた。
心は、決着が付いたのを確認すると、立ち上がり飯塚の前に行くと
「一樹をやったのはお前だな?」
倒れている飯塚を見下ろした。