金髪の君*完結
---だけど…
「私は、しんちゃんの所には戻らない。」
強い口調で言う私に
「はぁ…」
一樹は大袈裟に溜め息を吐いた。
「なんでお互い意地張るかな…」
呆れたように言う一樹は
「あいつも、さっさと気持ちを伝えれば若田に取られなかったのに。」
と続けた。
小さく「両思いなのにな」と呟いた声が聞こえたが、私は聞こえないフリをした。
「まぁ、なるようになるか…
それより今は、未来をどうにかしないとな。」
ハハハッと笑う一樹に
「本当にごめんなさい。」
と頭を下げ、謝った。
「任しといてよ」と言う一樹の声は楽しそうで、どうやって泣き止ますのかが気になったが
「じゃぁ、落ち着いたら電話させるから。」
一樹の言葉に「わかった。」と言い、電話を切った。
未来から電話がかかってきたのは次の日だった。
電話を出た私の耳には、泣き声ではなく、明るく元気な声が聞こえた。
未来の攻めに私は冷や汗をかきながら、この2ヶ月のことを話した。
私が健吾の所にいっていたことを知っていた未来は、驚くことなく
「私とかずくんのせいだよね…
ごめんね」
と言った。