恋の方程式
夏休み講習!

自習だけの関係にサヨナラ!


~7月下旬~

季節は夏。
公立中学は夏休み真っ盛りで、
私の通っている私立中学もやっと夏休みにはいったところだった。
野木先生の数学プリント地獄もやっと終わって、
夏休み満喫・・・って、
そうは簡単にいかないもの。
宿題があるから夏休みが満喫できない。

<宿題を早く終わらせたかったら朝から自習に来い。>

清川先生に前日そんなことを言われたから、
今日もまたここにいる。
しかも・・・一人。
まるで呼び出しを食らったかのように。

「あーーーーーー!!もうやだ!!」
「萩原!静かにしろ!3年生と小学生は授業中だ!」
「何で先生が担当なのよぉ!」
「あのプリントが終わったからって俺の授業から逃れられるとおもうなよ!?」
「なんで!?プリントちゃんと夏講までに終わったじゃない!」

理数系のスペシャリストこと、
野木先生は必死に講義する私の言葉に耳を傾けず、
数学の教材に目を通していた。

「だってあのプリント正と負の計算だけだろ!?あれで一学期の数学の範囲おわりか!?」
「そりゃあ違うけど・・・」
「なら文句言うな。」
「ちぇ・・・」

(清川先生騙したな・・・。)

私は数学の宿題をやりながら、
清川先生を軽く恨んでいた。

(まだ野木先生の自習からは逃れることは出来ないんだな)

つくづくそう思った。
<自習だけの関係>
そう思っていたのが間違いだって
気づいたのは夏講初日の夜だった。



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