恋の方程式
「もう楽勝!」
「え~?ありえない~」
「俺あくまで大卒だぞ?英語なんざ大の得意分野!」
「理科と数学よりも?」
「あ~それとはまた話が別だ。」
「え~!嘘つき!」
「嘘つきゆーな!」
「へへへ・・・」
(やっぱりこの先生といると楽しい)
と、私は不本意にもそう思ってしまった。
先生の笑顔を見ると、心が軽くなる。
もしかしたらこの頃から先生のことが好きだったのかもしれない。
ただ気づいていないだけだったのかも。
「よし、時間も時間だし、ここからは本気で授業するぞ。」
「はぁ~い」
「じゃあ今からプリント渡すから、まず解いてみろ。」
「うん。」
「うん。じゃなくて・・・」
「は~い。」
「よし。」
お母さんみたい。
先生の笑顔は輝かしかった。
~数分後~
「できたか?」
「う~ん・・・あと2問!」
「そうか。終わったら言えよ?」
「はい。」
先生に渡されたプリントは数学で、
正負の足し算引き算の問題だった。
ちなみにさっき言ったあと二問というのはまったくのウソ。
2問しかできていない。
明らか理解できていないと、つくづく思った。
「もういいだろう。萩原、プリント持って来い。」
「は~い」
と、私は怒られるのを覚悟したうえで、
たった3問しかできていないプリントを、
恐る恐る先生も元へと持っていった。