恋の方程式
先生は私が提出したプリントを見て、
顔を顰めた。そしてこう言った。
「なんだ?何かのドッキリか?」
「いえ^^」
満面の笑みで答える私に対して、
先生はため息をついた。
先生と私の間に重い空気が流れる。
私この空気嫌いなんだけどなぁ・・・
「これからは俺がみっちりしごいてやるから覚悟しとけよ?」
「え!?」
「何だその嫌そうな顔は!」
「すいませんねぇ、私馬鹿なんで。」
「あぁ、馬鹿だな。」
「何それ!?ひどくない!?」
「お前のプリントの出来の方がひどいわ!」
「むぅ・・・」
私はふくれたが、何故か一揆に笑いがこみ上げてきたので吹き出した。
「あはははははは!!」
「何だ!?いきなり笑い出して!?」
「いや・・別に・・あははは!!」
私はずっと笑っていた。
こんなに笑ったのはいつ振りだろう
すると先生は顔を顰めて教室を出て行った。
不思議に思い、ばれないように先生の後をついていくと
先生は両手いっぱいのプリントを持って出てきた。
「なに!?そのバカ多いプリントの量は!」
「俺をみて馬鹿笑いした罰だ!夏講までにこれ全部完璧にしろ!」
「ええぇぇ!?」
夏講というのは夏休み講習の略。
一学期などの復習をして、二学期が始まる時点では一学期の範囲は全部完璧になっている状態になるという、企画みたいなの。
「夏講までに完璧になったら夏講全然楽しくないじゃないですか!」
「なんでだよ!分かってた方が楽勝で楽しいじゃないか!」
「ごもっとも・・・」
「そうと決まれば・・・明日からな。」
「はい・・・」
<苦しいと思うが、数学好きになるいい機会だ。一緒の頑張ろうな。>
帰り道、私は先生ご別れ際に言った一言を思い出していた。
「明日から頑張らないとなぁ・・・」
私は心で決意した。