君に…
離れた手が寂しい。

「ほらっ。もう帰れ」

雅玖がせかすから渋々家までの
階段を上る。

少し歩いたとこで振り返ってみると
まだ雅玖がさっきと同じ場所で
立ってあたしを見ていた。

『雅玖帰らないの?』

「薫が玄関に入るの見届けたら帰る」

もうっ。

あたしは走って雅玖の所に行く。

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