―百合色―
昼からの授業が始まる前に、タクミと屋上を出て行った。



マナに話かける──

と心に決めて、


教室を、スリッパの音を鳴らし、入って行く。


俺の席は、窓側の5番目。


マナは、俺の斜め前の席。

意外と席は近かったり。



でも話した事ないとか…


俺って奥手?


今までの俺とは全然違う俺がいた。



それだけマナは特別なんだ。


公民の授業がチャイムと共に始まる。



授業の内容なんて聞いてない。


考え事してた。


どうやってマナと話そうか?


何か落として、拾ってもらうとか?



いやいや…
ベタすきだろ…


考え続けていると、頭がパンクしそうになる。


そんな時にタイミング悪く、先生が当てるんだ。



『坂井、次から読め』



いきなり読めとか言われても…

教科書開けてないし、
考え事してて頭パンクしてるし…



俺は慌てて教科書を開く。



今何ページだよ…
あ~…もう…
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