―百合色―
タクミと別れ、教室へと入って行く。


教室の前に飾られてある、丸い大きな時計を見た。


今日はいつもより学校へ着くのが早い。


いつもと同じ時間に家を出たはずなのに…

目の錯覚?


俺は最初に亮に挨拶をし、席に着く。


隣には、百合がもう来ていた。


『こっ光輝!おはよ!今日は早いね?』


百合が話かけてきた。

俺はそれに反応をする。


『おっ…おはよ』


上手く声が出なかった。


百合と話をしたら、
気が緩んだ。


『元気ないね?』


百合もタクミと同じで、
俺の異変に気付く。


百合のちょっとした優しさが、俺をおかしくする。


『そぉ?いつもと同じ』


今思い出した…
百合、昨日修とどうなったかな?


付き合う事になったかな…

ダメだ。

やっぱりこの世界から抜け出したい─…
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