―百合色―
『光輝!光輝にプレゼントがあるんだ!昨日のお礼!はい!』


百合は目を輝かせながら、俺を見て、俺の机に、一枚の写真を置いた。



『これ…』


『パパが撮った写真!
光輝パパのファンなんだよね?だからあげる!』


目の前に置かれた一枚の写真。


その写真の中身は、
今までに見たことのない、綺麗な綺麗な…青空だった。


大好きな写真家の、
鈴木優さんが撮った写真。

そして、今隣にあるのは、百合の最高の笑顔─…


百合…
その笑顔は反則だよ…


俺を、更におかしくさせる。


嬉しさと恥ずかしさ。


この二つは、俺を容赦なく蝕む。



『……ありがと』


ホントはもっともっとお礼をしたかった。


でもこの二つで、
なかなか言葉に出来なかった。


タクミが朝言っていた事がこの時、やっと分かった。

俺は、いつかあの朝のバスのように、揺れ動くだろう─…
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