―百合色―
百合の温かな笑顔を見た俺の鼓動が速くなった事は、言うまでもない。


『百合、独り言言ってんなよ。馬鹿みたい』


百合と話すと、
ついつい、いじめたくなるんだ。


百合は頬を膨らませて怒るんだ。


その百合がおかしくて、
何回も言ってしまう。



『うっうるさい!光輝こそ何やってんのよ!こんな場所で!』


百合もこんな場所で何やってんだよ?



俺は百合の隣に座った。

二人、肩を並べて、
変わらない夕日を見た─…

『あ?俺?俺、ここ大好きなんだ』


『光輝も?』


《光輝も?》

って事は百合も?


心の中で思った事をそのまま言った。



『光輝も?って事は百合も?』


『うん、小さい頃よくパパに連れてきてもらったの。大好きな場所なんだ』


百合はまた俺に笑顔を向けた。
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