―百合色―
俺は携帯を取りだし、
宛先を確認する。


マナかな?

と、期待しても意味がないのに思ってしまう。


まだマナの事は忘れられないのかもしれない。


いや、この先、ずっと忘れられる事はないだろう。


マナは、俺の中で、
大きな存在だから。


でも今は違う─…



《修 百合に会いたいんだけど》


宛先は修。


内容は………



俺知りませんけど?


俺に言わず百合に言えよな。



『なぁ、百合!』



『ん?』



『修とはどうなったんだよ?』



俺は修の為、百合に聞いてあげた。


ただ単に、俺が知りたかったんだ。

百合と修の関係を。



『全然会ってない!』


嘘だろ?


今、すごく嬉しいと思ってしまった。


修と百合は何もないと聞いただけで、


俺は心の中で、思いきり叫んだ。



《やった──!!》って。


心の中の俺が、一番正直だから。
< 137 / 353 >

この作品をシェア

pagetop