―百合色―
『気になる?私が?』


気になるよ。


気になって仕方がない。


『ちげぇよ!修が可哀想だなって!
百合の性格気付いたら嫌だと思うから~』


俺は今、最低な事を言った。


言ってしまったらもう取り返しがつかない。


ただ後悔だけが残る。


百合を見ると、だんだん悲しい目をし、眉間にしわを寄せていた。


『何それ…ムカつく!
意味分かんない!』



百合は完璧怒っていた。

無理もないだろう。

すごく酷い事を言ってしまったのだから。



弁解すればいいのに、
弁解の言葉が出ない。


いつもと同じように、
笑って《冗談だよ》って言えない。


『…………』


百合を怒らせた、
百合を傷つかせた。


これが俺を苦しめる。
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