―百合色―
下駄箱から履き慣れた靴を取りだし、校門へと向かった。


校門に近付くにつれ、
人影が近くなっていく。


校門を出た瞬間、
その人影が誰か分かった。


『修…?』


『光輝じゃん!百合は?』


『…なぁ…修?
俺…百合を泣かした…』



『は?』


『百合を頼むな…』



修なら俺より百合を守れそうだ。


俺は百合を傷つけたり、怒らせたり、泣かせたりしか出来ない。


言いたい事と逆の事を言ってしまう。


修…頼むな?百合を。


百合は修みたいなやつがお似合いだ。



そして歩いていく。


次へのステージへ。


今日で何かが変わる。


俺の中で秘めていた想いを、マナにぶつける。


マナ、ちゃんと聞けよな─…


今からお前に会いにいくよ。


そして、君を……


自由にしてやるよ。
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