―百合色―
『無理だよ、マナ。
俺にはもう…好きな人がいるんだ。マナじゃない…』


『何で…?私を好きじゃないの?
マナも…悪い事した…
反省してるよ?
光輝がいいんだもん』



目をウルウルにし、
上目使いで俺を見たって、もう俺は何も感じないし、何も思わない。



やめてくれ。


俺は百合が好きなんだ。

不安にさせないでくれ。


気持ちを曇らせないでくれ。



『もうマナの事好きじゃない』



分かってくれ…マナ。


マナの事、愛していた。

この世界からマナと二人で抜け出したい時もあった。


マナがいればいいと思っていた。


でもなぜだろう?


マナのいない、違う世界に俺は足を踏み入れ、
出会ってしまったんだ。



今の愛しい人と。


なぜだろう?


人の気持ちは、
なぜ…このように変わってしまうのだろう?


愛していたのに…


なぜ…愛せなくなったのだろう…
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