―百合色―
俺は振り向き相手を確認する。



『あぁ、亮か』


『何だ?その期待外れみたいな反応!』



『別に~?』



相変わらず、テンション高いなぁ…


少し分けてくれ、そのテンション。



『なぁ、光輝。お前彼女と別れた?指輪してねぇからさ』



『あぁ、別れたよ!フってやった!』



『そっか~じゃあ夏休み、女紹介してやろうか?』



何言ってんだよ、亮。

俺には百合以外の女はいらねぇよ?


だから断るに決まってんだろ?



『俺、いらねぇからさ!ありがとな!』



『な~んだ。分かった!
じゃあまた二学期な!』


『おう、じゃあな!』



俺は軽く亮に手を振り、
視線を落とす。



百合に言いたい…
でも今、百合はどこにいる?


俺は教室をグルッと見渡すが、百合の姿はない。


百合は、あそこにいた。


タクミと仲良く二人で帰っている姿を見てしまった。



俺は、拳を作り、机に八つ当たりをした。
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