―百合色―
苦しい…

助けて…


心の中の、もう一人の自分が叫んでいる。



『あ~もう…うぜぇ…』


何でこんなにも不調なんだよ…


ひとつの事が上手くいかないと、全ての事が上手くいかない気がする。


どうしようか?

どうしたらいいか?


それの答えが出ないまま、俺は教室から去って行った。


道を歩いていると、
うるさいくらい鳴っている蝉の声。


俺にケンカ売ってんのかよ?


蝉の声を聞くと、
熱さ倍増。


そして苛立ちさ倍増。



『あ~どうしたらいいんだよ!!!』


この小さな街に向かって、秘密の場所から叫んだ。



考える事は百合の事。

全て百合の事。


去年はマナだった。

マナだけだった。



でも俺は─…変わった。


気持ちが変わった。



今の俺の中を支配しているのは、君だ──……
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