―百合色―
《ゆかから聞いたんだけど、百合が事故にあったらしい。救急車で○○総合病院に運ばれた。詳しくは分からないが、車とぶつかったらしい──…》



タクミからの電話の内容は、こうだった。


俺は本当かどうか確かめる為、病院へと向かう。


百合が事故にあったのは、俺のせいだ。


俺が秘密の場所に来いなどと言ったから。


俺がもっと早く百合に気持ちを言っていれば、
こういう事にはならなかったはずだ。


俺が悪い…


百合ごめんな…


お願いだから…無事にいて…



『百合…百合…』


走る俺の後を大きな月が尾行していた。


まるで、俺に進むべき道を教えてくれているかのように。


百合がいる場所を教えてくれているかのように…



俺は誰もいない夜道を走る。


百合の無事を祈って─…
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