―百合色―
やっとの思いで着いた病院。

時計を見ると、7時を回っていた。


『ここだ…』


俺は病院に入る。


病院の中は不気味なくらいシーンと静かだった。


『あの…すみません…』


俺は受付で確認をした。


『はい?どうされました?』



『ここに…鈴木百合という人が運ばれてきませんでしたか?』



『あぁ、車と事故した方ですね。その方でしたら、
508号室に治療を終え、今安静にしていますよ』



『無事だったんですね?!!』


『はい、大丈夫ですよ、あまり酷いケガはしてなかったので』


俺は看護師の人の話を聞いて、ホッと一息をついた。

良かった…

百合…無事だったんだ…


『今…会えますか?』


『今日は面会出来ないんですよ。ご家族の方にも言われましたが、今日は安静にしていなきゃいけないので。それに…まだ意識が戻っていませんので…』



『え…』


また俺を暗い世界へと引きずり込む。
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