―百合色―
『失礼します…』


百合の病室へ入る。


病室には朝の光が溢れていた。


俺は目を細める。



『君は誰かな?』


光の中から出てきた人。


その人の笑った顔は、
百合に似ていて、
すごくかっこいい人。


『百合の友達の…坂井光輝です…』



この人は、

俺が尊敬する人─…



『初めまして、光輝君。
百合の父です』



百合のお父さん…


この人が、俺の憧れの人…

鈴木優さん──…


俺は暫く何も言えなかった。


百合が昔言っていたのは本当だった。

確かにかっこいい。


男から見ても、惚れてしまうような容姿。


なにもかもが魅力的で…
優さんが笑う度、
俺は吸い込まれていく。



『初めまして…』
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