―百合色―
『じゃあ笑ってよ!
俺の方みて笑ってよ!!
百合はもう俺の彼女なんだよ?』


『彼女…?』



『百合はもう俺の彼女!
そんで、俺は百合の彼氏!』



『私の…彼氏…?』


百合は、俺の手を払い除けた。


『百合?』



百合は下を向いたまま、
黙ったままだった。


『百合?』


『もう!バカ光輝!
恥ずかしいじゃん!!
でも…嬉しいよ…』



百合?隠しきれてないよ。

耳…すごい真っ赤だよ。


『百合…』


俺は、この先、どれだけ君の名前を呼べるかな。


残り少ないとしても、
俺はずっと君の名を呼びたい。


頭には、君の名と、
君の笑顔で埋めつくされているんだ。



もう…君でいっぱいなんだ。


君への愛でいっぱいなんだ。


この日、俺と百合は、
彼氏彼女となった。



人生最高の、夏の日となった──……
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